あの日のことばを探し続ける

あの日こころを動かした、拾ったきりの思い出、忘れられない誰かのことば、感じたままに、綴ります。

時差Bizとは何だったのか (1/2)

クールビズの次は、時差ビズか”
こんなため息がオフィスの一角から聞こえてくる。

働き方改革という言葉が、世間でよく噂されるようになった。
“日本人は働きすぎだ”
“残業を減らしてワークライフバランスを充実させよう”
そんな、もう何世紀も繰り返されてきたんじゃないかと思うような、何度目のたわごとか。

そしてこの時差ビズ、なんの脈絡もなく始まって、何のアナウンスも無いまま自然消滅していった。
いったい何事だったのか。

巷で噂のプレミアムフライデーと組み合わせて、10:00に来て15:00に帰る日とくれば、もうその日は仕事休みでいいんじゃないだろうか。


僕の元いた会社では、今や朝8:00までに出勤するとバナナとヨーグルトが無償提供されるらしい。
でも、バナナ1本とヨーグルト1つ合計300円、1ヶ月合計6,000円、年間72,000円のために7:59に出勤しようと思うわけがない。
だいたい奴ら、年収1,000万だぞ。

早めの時間に出勤した人も結局定時までいるだろうし、
遅めの時間に出勤した人は、遅くまで残業するだけだ。
会社に行きたくないと思う気持ちは変わらない。


満員電車が無くなったら会社に行きたいという気持ちが沸き起こるのか。
毎日タクシー通勤できるなら、会社に行きたいと思うようになるんだろうか。

職場にかわいい女の子がいてその人に会うために職場に行きたいというのならわかる。

ちなみに僕は女性社員と一緒に外回りしている営業マンのことを「営業デート」と呼ぶことにしているが、
営業デートもできなければそもそも女性社員がほとんどいない職場にいる僕としては、
たとえ毎日リムジンで迎えが来たとしても会社に行きたいとはこれっぽっちも思わない。

外のスタバで仕事しているほうが出会う確率が1 %くらいは上がるだろうから、
会社の椅子に座っている時間というのは、人生の時間の無駄そのものとしか思わない。

もちろん、文庫本市場に何十万冊もあふれ出ている「自己啓発本」とやらに洗脳されて、仕事に「やりがい」を感じて元気よく出社している圧倒的成長サラリーマンなら話は別だろうが。


満員電車なんて、「会社に来ること自体に価値がある」という本質から逸れた (日本人の得意な) 考えとJR東日本の怠慢とのコラボレーションによって生み出された素晴らしき産物でしかない。

このどちらも変化させずして、「電車を使う時間をずらして混雑を避けよう」という対症療法。
パブロンと同じ、いや、パブロンのほうがなんとか風邪の苦しさを和らげてくれるだけマシ。
こっちは、「本質解決が出来るはずなのに、やらない」のだ。

それでも満員電車を避けたければ、どうするか。