あの日のことばを探し続ける

あの日こころを動かした、拾ったきりの思い出、忘れられない誰かのことば、感じたままに、綴ります。

世の中のほとんどの人は (2/3)

会社で働くのが嫌だ。なんでもいいから起業したい。でも、何をしていいのかわからない。

起業ブームに差し置いて、こんな声が増えてきた。
何がしたいのかもわからないけど起業したいというのは、正直意味が分からない。
やりたいことがあっての起業ではないのか。

でも、そんな人たちに朗報。
起業ネタを生み出すヒントを惜しみなく差し上げよう。
これをやれば、あなたも新規事業アイディアがどんどん浮かんでくる!


まずA4の紙特に一昔前に流行ったA4の方眼紙を用意する。
次に、今日一日でむかついたこと、めんどくさかったこと、無駄だと感じたことを10個無造作に書き出してみよう。

目覚まし時計が聞こえなかった。電車が混んでいた。電車が遅れた。上司が頭悪い。昼休みのレストランがどこも混んでいた。職場のPCがフリーズした。雑用処理が多すぎて大事な仕事が手に付かない。電話がうっとおしい。現金のみの店とかほんといらない。周りがカップルだらけで居場所がない。

そして、自分が悪いものと社会が悪いものに分けてみよう。
電車が混むのも、レストランが空いていないのも、カードの使えない店が多いのも、全て社会が悪い。

彼女ができないのも社会が悪...いや、自分が悪いかも。


目覚まし時計が聞こえないのは、自分が悪...いや、アラームを耳からしか聞こえなくさせるようなデバイスしか作ってこなかった家電メーカーが悪い。体内のドーパミン分泌を促すような電波でも発信させればいい。

そう。これが起業の原点。
その社会の持つ不便さをなくすことこそ、起業のヒント。

では、「脳波に働きかける電波を出す目覚まし時計の開発」という起業ネタが見つかったところで、さっそくその製品の実現に向けて行動してみよう。

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おそらく、誰もやろうとしなかったのではないか。

誰もが「これは不便だ」と分かっていながら、日常に慣れてしまいその場に適応する術を身に着けている。与えられたものを受け入れる。
イケメン顔負けの包容力。

起業して苦労するよりも、多少の不便さを我慢して日々を過ごしているほうが、正直楽だ。
みんなに合わせること。これこそが、この世界を合理的に生きる術。ライフハック


そう。この国では、「とりあえずみんなの動きに合わせておく」ことが、荒波を立てずにその場をうまくやり過ごす、合理的なやり方になっている。
下手に反抗して場を乱せば炎上しかねないし、口論に余計な時間を使ってしまう。これはとても非合理的だ。

何も考えていないバカな人は、自分で何も考えずに「みんなに合わせる」という選択を取る。
頭の良い人は「これはよく考えると何かおかしいけれど、口論すると時間の無駄になるからみんなに合わせておこう」という選択を取る。
結果、同じになる。いずれも、非合理的な結果を選び取っている。
それを合理的に考えたのか、何も考えなかったのかの違いだけである。


しかし、自分は合理的だと思っている非合理的人は、「これは非合理的だ」と思ったことをそのまま口にし、余計な論争を巻き起こす。
行動力も精神力もないから、議論の途中で他人のせいにして無かったことにしてしまう。
究極の時間の無駄である。

そしてちょっと賢い人というのは、得てしてこの部類に入りがちだ。
自分は他の一般庶民とは違うということを見せつけないのだ。
そしてたいていの場合において、ちょっと賢い人というのは、めんどくさい。
だからよく、世の中から敬遠される。いじめの恰好の対称。


非合理的なことを主張して自らそれを変えようと立ち上がり行動している人は、真のヒーローかもしれない。
ただ主張をしているだけなら、Twitterでだけ態度のでかい残念な人でも出来る。

そして、自ら立ち上がり行動している人なんて、世の中にほとんどいないものだ。



そう。
世の中のほとんどの人は、合理的に動くという概念が無い。