お金を稼ぐって、大変?(1/2)
サラリーマンにとっての仕事のモチベーションとは、給料である。
というと、たいていの日本人から嫌がられる。
最近は少しずつお金を稼ぐことに対する日本人の抵抗感も薄れてきたものの、いまだこの国のお金嫌い文化は根強い。
残業は正義。無賃労働は正義。社蓄はヒーロー。
生産性の無い仕事を効率悪く時間をかけて行うことが美徳であるらしい。
昼間にネットしてさぼりながら、午後5時を過ぎてから本気を出すことが美徳らしい。
年収400万円。40年ローンを組んで埼玉県に一軒家を構え、なけなしのお金で子供一人を養いながら自分の生活を切り詰め、少ないお小遣いを日経新聞の定期購読と上司との付合い飲み代に費やし、ツイッターの裏アカで会社の愚痴を垂れ流す毎日を送る。
一生やってろ。
おそらく、これ以上企業に勤めていても給料は増えない。
就職時に夢見た「年収1,000万円」の看板には到底たどり着くことは難しい。
するとたいていの人は、やら転職だ、やら副業だ、と叫びだす。
今400万円しか貰えていない人がどうすれば転職市場から年収1,000万円のポテンシャルがあると評価されるのか不思議で仕方ないが、転職イコール給料upと思いこんでいるらしい。
さすが転職業界のCM作成能力。
ビズリーチの洗脳効果ハンパない。
副業になると、もっとひどい。
株、FX、webライター、アフィリエイト、ランサーズ、最近ではビットコインまで登場し、
これからは個人が稼ぐ時代だ!!!と意気揚々と叫んでいる。
フリーランスはかっこいいらしい。
しかしたいていの人は、稼げない。
アフィリエイトで月1,000円稼ぐことが最初はどれだけ大変なことであるのかを知らないまま、フリーランスに憧れる人が後を絶たない。
挙句の果てには、起業とか言い出す。
世の中は今や起業ブームらしく、学生起業家や女子高生起業家がもてはやされ、「悩んでないで今すぐ起業しろ」と煽りだす輩まで登場してきた。
寝言は寝てから言ってくれ。返済義務無しで一人1,000万円を100人に融資してから言ってくれ。
スキルも知恵も無い人がそうしたブームに踊らされて晴れて独立を果たし、何もわからぬまま謎のベンチャーキャピタルから日米不平等条約顔負けの投資契約を結ばされ、多額の借金を背負う未来が待っている。
次のブームは、自己破産ブームか。
本当はお金を稼ぐことよりも他人からの信頼を積み重ねることのほうが何倍も大切なのだが、とはいえお金の余裕は心の余裕。
お金大事。
心配はいらない。
お金は、稼ぐことは難しいが、どこからかおこぼれを得ることは比較的簡単なのだ。