あの日のことばを探し続ける

あの日こころを動かした、拾ったきりの思い出、忘れられない誰かのことば、感じたままに、綴ります。

お金を稼ぐって、大変?(2/2)

みんな、気づいていない。
みんなが日々愚痴をこぼしながら、仕事が終わるのを今か今かと待ちわびて不穏な空気の中で過ごしているそのハコが、どれだけあなたを神対応で扱っているかということを。

会社というそのハコが、中にいる人がたとえ何のスキルが無くとも年に500万円くらい余裕で支払ってしまう神的存在であることを。

就職してしまえば、特に勉強したり研修に通ったりしなくとも、適当にこなしていれば500万円も手元に入ってくることが保証されているということを。


「会社なんていつ潰れるかわからないんだから、そんなこと言ってられるか」

そうぼやいている人の9割は、今の会社が潰れる訳ないと思いながら何もせずに毎月40万円くらいをもらい続けている。
こんなのは安心しきっている人だから言えるセリフだ。
トヨタが潰れるのが先か、東京大震災がくるのが先か。

潰れると本気で思っているのなら、転職でも独立でもして逃げればいい。
そして大抵の人はなにもせずに、いざ潰れた後で会社を存分に非難する。
非難する前に避難しろ。


サラリーマンとは端的に言えば、自分の時間をお金に変える簡単なお仕事だ。
9時から17時の8時間、1日の3分の1を会社に捧げ、
自分の時間を犠牲にする代わりに、生きていくために必要であるお金を得るという変換作業である。

しかも、Google予測変換も顔負けの正確さ。何が起きても絶対に月々振り込まれるお金の量は変化しない。
それなら、さぼったもん勝ちだ。
単位時間あたりの労働量の最小化。「いかに仕事をしないか」こそが、サラリーマンが日々試行し解決すべき本質的課題である。


ところが最近、そうした優秀なサラリーマンを邪魔するかのごとく、成果主義なる概念が登場してきた。
安泰だった会社というハコの存在を揺るがす一大事である。
政府もそれに拍車をかけ、ハタラキカタカイカクと称して残業を取り締まる動きを見せている。
やめてくれ。僕らは時間をお金に変えているんだ。
資産である時間を奪われてしまっては、収益を得ることができなくなる。まったく、勘弁してほしい。格差社会の次は、搾取社会か。

こうなると、さあ大変。
お金をもらうのではなく、稼がなければならない。

収益を生むためには資産が必要だが、今そこにいる冴えないサラリーマンから時間という資産を奪った結果、何か資産として残るものはあるか。
スキルはあるか。特技や才能はあるか。

あると言える自信が無いのなら、この国がベーシックインカムでも導入しない限り、僕らの収入はゼロ。
親の家にでも居候し、メルカリで稼いだナケナシの2万円でなんとか食費をまかない、日雇い労働先と雨風をしのげる宿場を日々探し続け、借金取りに見つからないようにGPSで鬼ごっこをし、

大丈夫。そうならないように、この国はうまく回っている。
とりあえず会社に就職すればお金は手に入る。たとえそれがブラック企業だとしても。

会社に就職できないと嘆いている人は、とりあえずブログなんか見ている場合ではない。
せめてブログを書くという発信者側に回った方が良い。


今月から、大企業様の就活が解禁された。
春が近づいて、リクルートスーツを着た大学生たちが街に徘徊し始めるだろう。
自称副部長が大量発生するだろう。

忘れないでほしい。
従業員にとって、会社は必ずしも、お金を稼ぐ場所ではない。
「いかに働かないか」という視点で会社選びをするのも、また人生戦略だ。

生き方もいろいろ。価値観もいろいろ。
別に無理に稼がなくったって、ある程度もらって好きな事していられれば、それでじゅうぶん幸せかもしれないよ。

人生、短いんだし。