春一番にさらわれた想い出
街中に小さな桜が咲いていました。
いつもより、ちょっぴり早いかな。
きっとこれから、寒い暖かいを繰り返して、季節がひと巡りするのでしょう。
それぞれが、それぞれの道を選ぶ季節。
卒業を迎える方も、そうじゃない方も、一度立ち止まってみたりして。
悪くない。立ち止まらなければ、景色は流れて行ってしまうから。
流れていった今までの景色を思い返して、
“あの日”の嫌だったことも、嬉しかったことも
全部まとめて笑い飛ばせるなら、それはあなたがまたひとつ大人になった証です。
大人になることなんていいことばかりじゃないけれど、
想い出が増えていくことは、嬉しいことです。
美化された想い出に出会うのがいやならば、
いっそのことタイムカプセルに埋めてしまえばいい。
それを開ける日は、きっと、あなたが思い悩んだ日。
人との出会いは偶然ですが、過去の自分との出会いは必然。
そして、さよならが必然ならば、再会も必然なのかもしれない。
“きっと、また会える”って、そんなの分かったことじゃないけれど
この道を左に曲がれば、誰かの影が見えるような気がして。
影を見つけて、それでも追うことをやめたのは、戻るのが怖かったから。
戻ることを怖がって、それでも後悔ばかりして時間が過ぎて、
気が付けばまた、季節が巡っている。
そんな一年もあったかもしれない。
どうしても心が落ち着かない、そんな時間を過ごしている方へ、
いつものようにことばを巡らせている私から、小さな小さなアドバイス。
悩みが消えない日常の中では、
ちょっとした偶然のいたずらを、見つけてみてください。