あの日のことばを探し続ける

あの日こころを動かした、拾ったきりの思い出、忘れられない誰かのことば、感じたままに、綴ります。

通過点を過ぎる時

東京では今日、桜が満開になったそう。
たったこの瞬間、力強く咲き誇る桜の花たちに、僕たちは何度も想い出を重ねようとする。

そうしてずっと待っていた瞬間が、あっという間に過ぎようとしています。
きっとそれは、別れの時か。それとも、出会いを待ちわびる永遠か。

夢から覚めるのなんて、あっという間です。



何かが始まろうとしている人。
何かを終えようとしている人。
そして、またひとつ、通過点を過ぎようとしている人。

それぞれが持つ迷いや悩みはいつの間にか消えていて、
どこに置いてきたのか忘れてしまうくらい。


時間は残酷で、感動も悔しさも、ゆっくりとその景色を奪ってしまう。
“忘れはしない” そう誓っても、
新しい想いがそれを覆い隠してしまうこともある。



だからこそ、さぁ、なにができるんだろう。

そんなの、私にもわかりません。
限られた時間と経験の中で、答えを出すことは難しい。
だから、毎日の通過点がそこにある。

さ、ちょっとゆっくりして落ち着いたら、もう朝はすぐそこです。
どうであれ、街は変わらずに動き出そうとしてる。
じっとしていたら、電車に乗り遅れちゃう。

想い出が未来を示したら、それは別れの合図だから。