「雇用を生み出す」は偽りの正当化 (1/2)
月曜日。
誰もが、仕事に行きたくなくなる日。
誰もが、今日は早く帰ろうと思いながら会社に向かう日。
と思ったら、経営者としては甘い。
月曜日だろうが金曜日だろうが、僕たち従業員はいつだって仕事に行きたくないし、いつだって早く帰りたい。
プレミアムエブリデーにしてほしい。
「土曜日からいちばん遠い日」という、他の曜日と比べてじゅうぶんなインセンティブが付与されていない点
および
「せっかくの日曜日の夜を楽しむはずが、次の日が仕事なのであまり弾けて遊んでいられない」という負債を抱えている点。
これにより、月曜日が他の曜日と比べて債務超過になっている主な理由である。
債務不履行になっても破綻しないのが月曜日。よって、月曜日はくそ。
数学的帰納法により、火曜日も水曜日も木曜日もくそである。サラリーマンはつらい。
しかしみんな、本当によく働いている。なぜみんな、そこまでがんばるのか。
それは、お金を得るために。生きていくために。
つまらない作業を無心で行い、不毛な会議に時間を使い、ただ自分の人生の時間を削ってお金に交換している。
サラリーマンとは、時間とお金とを価値交換する作業員だ。
能力が無くとも、特別なスキルがなくとも、自分の時間を差し出せばお金に交換することが出来る。素晴らしいシステム。
そして、その単位時間あたりの価値の大きさは、学歴におおよそ比例しているという研究結果が出ている。ほんとうに意味不明。
ところで、この世の中では、“人様を殺してはいけない”らしい。
重大な罪になるらしい。
ナイフで刺したり自殺援助をするという直接的な行為はもちろん (遺伝子レベル的な観点から) いけない気がするんだけど、じゃあ間接的にはどうなのか。
たとえばこの、時間とお金を価値交換する作業員、すなわち何の能力もないサラリーマンをクビにしたらどうなるのか。
おそらくその人は、スキルで稼いでいくことはできない。
生活保護を貰うか、日雇いバイトをめぐるか、なんとかして日銭を稼いでいくしかない。
たった一枚辞令を出すだけで、その人の人生を大きく変えることが出来てしまう。
しかしこの国では、どうやらそれも簡単にはできないらしい。終身雇用という名で、僕らサラリーマンは守られている。
間接的に人を殺すことも、禁じ手のようだ。
リストラは、一人の人生を狂わす。
だから経営者は、従業員の雇用を守る必要がある。なるほど。
いや、納得できない。
何のアウトプットも生み出さない、椅子に座っているだけの人間の雇用を守る必要なんて、本当にあるのか。